時短(ジタン)流行りである。流行りすぎてすでに定番である。
そして時短を広告ワードに謳うサービスに、「家事代行」がある。
これが、本当に時短になるのだろうか?
買い物代行は、まあ分かる。ネットスーパーで良かろうと思うがまあ分かる。
子供の相手はとてもわかる。コイツラは親に余裕にあるとみなせば 間髪入れず「遊んでかまって」とよってくる。おかげ休日の方が、平日よりも余裕がない。
しかし、掃除・炊事・洗濯、これら日常の家事代行してもらうことが果たして時短になるのだろうか?
どうも解せないので考えてみる。
実作業の前に前後作業がある
食器を洗う前に水切りかごにある食器を片付ける必要がある。洗濯も、タンスに収納する必要があり、掃除も散らかっているものを片付ける必要がある。
「なもなき家事」なんて名前までつけられたこれらは各家庭の個別性及び家事業務を行う者の個人的な趣味的領域もあり一筋縄では行かない。
たとえ話が分かる人にしか分からず恐縮であるが、工事や修理の見積り明細で言うところの「養生費・後片付け費」みたいなものである。
前後作業は個別性があるので、具体的な指示が必要。
食器の収納位置、タンスへ収納する為の畳み方、収納する引き出し。
これらを的確に指示しないと「ダイニングテーブルに洗い済みの食器が整頓されている」「タオル三つ折りが四つ折りになっていて、たたみ直しが必要になる」とかになるではないだろうか。タンスの引き出しにしまうのは無理そうである。
いわんや、掃除は「散らかっていないところだけ掃除機がけをされる」である。
ゴミと名指しされない限りは「ゴミみたいなもの」でありゴミではない。他人が勝手に捨てることは固く禁じられている。
上記のたとえ話は家政婦さんとほぼコミュニケーションがない場合であるが、例えば同伴していたとしても「これどこにしまえばいいですか?」「たたみ方これでいいですか?」「これ捨てても大丈夫ですか??」これを逐次聞かれる形になる。
家事1つ1つはそんなに時間がかからない。
以前、一回一回の家事時間を計測したことがある。

どれも、大体10分~15分の細切れで可能である。
「洗濯物を畳んでタンスにしまう」のは10分位。家政婦さんにたたみ方・収納場所を教えるのは同じくらい時間がかかりそうである。
家政婦さんに教える家事の仕方は家事の工程ほどあるが、工程一つ一つにかかる実働時間はそんなにないのである。
アウトソースには作業指示書(マニュアル)が必要
家事代行は丸投げ不可。実働は必要ない代わりに司令塔になるか、マニュアルを作成する必要がある。
仕事みたいだが仕事と同じだ。仕事でアシスタントをつけてもらうのと変わりない。
そのアシスタントに仕事を「良きに計らえ」とぶん投げる人は大体仕事ができないだろう。
家事を仕事に置き換えてた場合、自分の仕事を引き継ぎするには引継書が必要だ。引き継ぎ期間も必要だ。それだって複雑な工程を組めば組むほど引き継ぎが困難になる。
「相性のいい人とのめぐり合わせ」もおすすめできない。運の要素が強く、その人がやめたくなったらそれまでだ。
家事代行は母ちゃん代行ではない。取替のきくアシスタントである。
マニュアル化したら無駄がわかり、カイゼンも出来ると思う
相手方に希望を押し付けたぶんなげ家事代行は時短にならない。これが一旦の結論だ。
しかし、家事代行を依頼する為にマニュアル作成をする気概があるなら結果、時短になると思う。
マニュアルのために明文化すると、作成過程で自分がカイゼンされるという効果がれられる。自分のこだわりは他人にやってもらうほど何かの効果が得られる作業なのかと。
なにより書き出すのが面倒だからだ。
この食器は吊戸棚の上にしまい、この調理器具は食器棚の2段め奥にあるのでしまうので、一度棚の前面を開ける必要があり・・・、まで書き出す必要があるならば、本当に要る食器なのか?なくてもいいのか。
在庫の適正化の検討はその過程で生まれてくる。
せっかくだからもっと突っ込んで、トヨタのカイゼンや工場の定位置化ルールなんてのも取り入れたらいかがだろうか。
食器棚を開いたら、自然と収納位置がわかるようにすればいい。
そして最終的に単純化でき、ボリューミーな作業が多いならば家事代行を活用するのがいいと思う。
我が家は大人2人幼児1赤ん坊1だからこそ家事時間がボリューミーで無いかもしれない。しかし、子供が男3人運動部。洗濯機は日に3回し、炊事の米は毎回1升炊きなんていったら、実働時間はやはり多くなるだろう。
単純・明文化。
名も無き家事におかえりいただく。
これが一番の時短だとおもう。
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