楽天でんきは果たして本当に安いのでしょうか?
「期間限定ポイントが消化できて、SPUも上がって、更に今なら切替キャンペーンもやっている」という電気代と全く関係ないところでの評価から、電気代が安いと判断するのは違和感があります。
総合評価としておトクかもしれませんが、電気代が安いかどうかは計算してみないと分かりません。
そもそも電気代はどういう値決めなのかという事と、新電力同士での会社比較はどうすれいいのか、ご参考になれば幸いです。
電気代の構成
電気代は
1.基本料金
2.従量料金(@設定単価×kwh)
3.燃料調整費(@燃料調整単価×kwh)
4.再生可能エネルギー発電促進賦課金(@賦課単価×kwh)
この4つで構成されています。4つ目の再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、東日本大震災後に発足。単価は全国一律。「太陽後発電等でクリーンに作られた電気の買い上げ資金」に当てられます。毎年サイレント値上げされていて、発足当初2012年は0.22円/kwhだったのが、2020年には2.98円/kwhになってました。ちょっとビビりました。
去年や先月の電気代と比べても意味がない。
さて、電気代が本当に安くなったのか?支払金額だけを見ても絶対わかりません。
電気代は季節性があります。夏・冬が高くなり、春・秋は安いです。これは冷暖房器具を使うからだと、想像できると思います。
ならば昨年と同じ月とで見比べてみたらいいかというと、支払金額で比較しても意味がありません。何故なら上記3の「燃料調整費」というのは毎月変わるからです。
【ご参考】東京エナジーパートナーの燃料調整費(低圧)
2019年8月 ▲1.37円/kwh
2020年8月 ▲2.85円/kwh
前年同月にも関わらず、1.48円の乖離があります。
燃料調整費は原油・天然ガス・石炭の変動価格が反映されます。5か月~3か月前の原油や天然ガスが安いと電気代も安くなるのです。
2020年9月の燃料調整費は▲3.53円と、もっと安くなりますが10月以降は多分、高くなります。【2020年11月追記】さらに安くなってましたw
マジメなソース貼っときます。
再生エネルギーと燃料調整費は無視。基本料金と従量単価を比較。
電力会社同士の料金形態を比較するときは、5.再生可能エネルギーと4.燃料調整費はシカトです。どうにもなりませんし、基本的にどの電力会社も、単価設定が一緒です。
先に申した通り再生可能エネルギーは国が単価を一律に設定しています。燃料調整単価は従来の地域電力会社(関電・東電等)の管轄別には異なりますが、管轄内の燃料調整単価は基本一緒と考えて大丈夫かと思います。
燃料調整費は法律による縛りがありませんが、新電力各社は割安感を出すために該当エリアの電力会社と燃料調整費と同額にしている場合がほとんどだからです。
参考例:楽天でんきの燃料調整費
楽天でんきが地域ごとの燃料調整単価を採用しているのがわかります。どこの新電力会社もそのはずなのですが、中には燃料調整単価を採用しないアグレッシブな会社もあるようです。本当かどうか知りませんが一応、確認は必要です。(だんだんトーンダウンしました・・)
話戻って電気代の比較は
1.基本料金
2.従量料金(@設定単価×kwh)
3.燃料調整費(@燃料調整単価×kwh)←念のため、エリア単価と同じかどうかの確認
4.再生可能エネルギー発電促進賦課金(@賦課単価×kwh)←ムシ
こうなります。1.基本料金と2.従量料金(@設定単価×kwh)の比較をしていきます。
楽天でんきは本当に安いの?
結論を言うと
「電気代があまりかからない単身者にとっては安い」
「電気を比較的使うファミリー世帯等は他の新電力の方が安いかも」です。
楽天でんきは基本料金がかからない分、他の新電力と比較し従量単価はやや割高です。下記は管理人が契約しているエルピオでんきとの比較です。
エルピオでんき:スタンダードプランライト30A
エルピオでんき | 楽天でんき | |
基本料金 | 858円 | なし |
従量単価 | ||
~120kwh | @21.14円 | @26.50円 |
~300kwh | @23.03円 | @26.50円 |
300超kwh~ | @25.78円 | @26.50円 |
エルピオでんき:スタンダードプランS(40A)
エルピオでんき | 楽天でんき | |
基本料金 | 1,086円 | なし |
従量単価 | ||
~120kwh | @18.84円 | @26.50円 |
~300kwh | @23.03円 | @26.50円 |
300超kwh~ | @25.78円 | @26.50円 |
30A契約でも40A契約でも、エルピオでんきの方が従量単価が安いのがわかります。少量使いなら楽天でんきが安いのですが、そのうちエルピオでんきのほうが安くなります。
それをマンガにしたもの
それでは電気代が同額になる使用量は幾つかといいますと、
30Aの場合は月々の使用量181.9kwh、40Aの場合は168.07kwhです。それ以上使うなら、エルピオでんきの方が電気代が安くなっていきます。
計算式などをブログ記事にしたもの。

楽天でんきは電気を使えば使うほどおトクと謳ってるのは何故?
しかし楽天でんきは「使えば使うほどおトク」と申してますね。
標準的な4人世帯の場合は初年度21,317円・標準的な2人世帯の場合は12,909円おトクと謳ってます。勿論ポイント還元は含まずです。
上記は2020年8月12日時点のHPからの画像引用です(引用サイト)。なので、これを見ると使用量(Kwh)が多いほどおトクに見えます。何故でしょう?
それは比較対象が東京電力だからです。
東京電力:従量電灯B(30A)との比較
東京電力 | 楽天でんき | |
基本料金 | 858円 | なし |
従量単価 | ||
~120kwh | @19.88円 | @26.50円 |
~300kwh | @26.48円 | @26.50円 |
300超kwh~ | @30.57円 | @26.50円 |
東京電力:従量電灯B(40A)との比較
東京電力 | 楽天でんき | |
基本料金 | 1,144円 | なし |
従量単価 | ||
~120kwh | @19.88円 | @26.50円 |
~300kwh | @26.48円 | @26.50円 |
300超kwh~ | @30.57円 | @26.50円 |
単価2段階目で単価の設定が僅差になり、3段階目では東電の方が単価高くなってしまいました。これではポイント抜きにして使えば使うほどお得になります。
従来の地域電力会社(以下、「東電等」)はどの新電力よりも高いです。新電力は東電等より安く供給できないと参入する意味がないからです。小泉新次郎みたいな言い回しですが本当にそうなんです。
まとめ
調度一年前に書いた記事がなぜか今頃ポツポツ読まれだしてきたので、別の角度から同じテーマで書いてみようと思った次第です。
電気代を安くするために電力会社を変更するならば、ご自身の使用量(Kwh)の把握が大事だと思います。なぜなら電気代の単価は原油価格で毎月ブレブレになり、電力会社によって電気料金の算出方法がバラバラだからです。新電力各社は絶対価格負けしない管轄エリアの電力会社との比較結果をクローズアップ掲載しますが、新電力同士の比較は今のところ価格コムだのみです。尚、先ほど価格コムを見て見たら、一位は「500Kwhまで定額(四国電力)」というサービスでした。
こういう有様なので、電気量(Kwh)を把握してないと、比べようがないのです。
電気量(Kwh)が分かれば新電力同士の比較は小学校レベルの四則演算です。このブログを見ればなんとなくわかるかと思います(再掲)

但し、楽天でんきは冒頭で申した楽天ポイントの優位性がありますので、そこは電気代の比較と合わせて総合的にご判断いただければいいかと思います。
管理人、神奈川住まいなので東京電力管轄での計算ですが、他のエリアのリクエストがもしあればコメントください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント