ココ連日、相場が軟調してます。
クロス取引においても「ストップ安」への注意喚起が散見されますが、一体、何をどう気を付けるべきなのでしょうか。
このことを調べているうちに板寄せ方式というものへの理解が深まりましたので書いてみました。
板寄せが成立する条件。
株の約定(取引成立)の仕方には、「先着優先」と「価格優先」があり、前者がザラバ方式、後者が板寄せ方式といわれています。
板寄せは一日4回、寄付(取引開始)、前場引け(前半終了)、後場寄付(後半開始)、大引け(取引終了)のタイミングで行われます。
クロス取引は株式取引のうち「板寄せ方式」の約定ルールを応用したものです。
『板寄せの条件』
【条件1】成行の売り注文と買い注文すべてについて約定すること
【条件2】約定値段より高い買い注文と、約定値段より低い売り注文がすべて約定すること
【条件3】約定値段において、売り注文または買い注文のいずれか一方すべてについて約定すること
何をいっているのかわからないので、「板まんが」つくりました。
「安く買って、高く売る」のが株取引の儲け方です。
なので、板寄せ方式に置いての優先順位は下記のとおりです。
①いくらでもいいから買いたい・売りたい →成行
②安くていいから売りたい・高くていいから買いたい
③なるべく安く買いたい・なるべく高く売りたい
①→②→③の順に注文数を足していき、売買数量が均衡するところ価格に値決めがされます。
そして、上の漫画で値段はどこできまるでしょうか。
赤枠の注文が約定し、始値300円で取引が始まります。
板寄せの条件(再掲)
【条件1】成行の売り注文と買い注文すべてについて約定すること→クリア
【条件2】約定値段より高い買い注文と、約定値段より低い売り注文がすべて約定すること→クリア
【条件3】約定値段において、売り注文または買い注文のいずれか一方すべてについて約定すること→買い注文側でクリア(売りは残る)
クロス取引は板寄せ注文(寄り付き・引け)時に売りと買い、同数量「成行注文」入れるので、必ず同価格の取得価格になりますし、片方だけ約定するということがないのです。
「ストップ安」ってどういう意味?
ストップ安とは楽天証券のHPそのままの引用ですが、
「成り行き注文を、全て約定する事ができなくなった状態」です。
そうなると板寄せの【条件1】成行の売り注文と買い注文すべてについて約定することが成立しないので値段(始値)がつかないのです。
「寄り付かない」とか言われてます。
『1800だけ約定しちゃうんじゃないの?』と思われるかもしれませんが、すぐにはそうなりません。物事には順番があります。
取引開始時刻(9時)ぴったりに約定しないことは「よくある」
9時ぴったりに寄り付かなかった場合どうなるかというと、注文数が揃うまで値決めされずそのままです。売り注文・買い注文がどちらかに偏っていると「特別気配」が表示され、一時的に注文がストップします。だんだんと価格が寄っていき、板(注文)が厚くなり、双方の成行注文が全部成立する数量になれば価格が決定して始まります。
取引開始時刻(9:00ぴったり)に特別気配を付けて5分10分寄り付かないのは「よくある話」です。
なので、取引開始時刻前から過度な心配はいらないです。
取引終了時刻(15時)まで約定しなかった場合→片側だけ約定するリスク高し
売りが5,000、買いが1800で、特別気配のまま、値幅制限MAXまで価格がさがっても成行注文がすべて成立しないのがストップ安状態です。その場合大引けで少ない注文数(買い注文)1,800株分だけ売買が成立し、取引所から各証券会社に比例配分で各証券会社に振り分けられます。
ここが注意です。
売りも買いも1800株は成立しますが、売り注文の残り3200は未約定です。
なのでストップ安を取引終了時刻(15:00)まで放置してしまうと、買いだけ約定して、売りは注文中のまま(もしくは失効)となってしまうケースが考えられるのです。
元々は価格ヘッジのために売り・買いの両建てを入れていたのに、損する方向の注文だけ約定してしまうのですこれでは意味がありません。
ストップ安になった場合、クロス取引どうすりゃいいの?
今回のように全体地合いが悪い時、前日に注文したクロス取引が約定しているかどうかを日中どこかでチェックをする必要があります。大引け前にはキャンセルしないといけないので。。。
どのタイミングでチェックをすればいいかというと、前場は神経質にならなくていいと思います。
終わり
一連、参考にさせていただいたHPのうち
楽天証券のホームページがわかりやすかったです。東証のHPは難しかったです。
ストップ安でも慌てない。
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